保育園の設計は、実際に現場で働く保育士と保育園設計の経験をもつ建築士が一緒に考えました。子どもたちが安全に楽しく、快適な環境の中で成長していけるようにさまざまなこだわりを盛り込んでいます。
高級な無垢材を贅沢に使うことで、木のぬくもりや心地よさを感じることができ、子どもたちが落ち着いて遊ぶことのできる保育室となっています。
A. 無垢材をふんだんに使った保育室
玄関のドアをはじめ、保育室の床一面、壁の腰板などに無垢材を使用しています。無垢材は木本来の質感、風合いを堪能することができます。天然素材のため、化学物質を含まないことも大きな魅力です。
そして、もう一つの大きな特長として「調湿作用」があります。室内の湿度が高ければ湿気を吸い、湿度が低ければ湿気を吐き出して、保育室を適度な湿度に保ってくれます。
また、無垢材にはストレスを和らげる癒しの効果もあります。色や木目による視覚的な作用、木肌に触れた時の触覚的な作用、樹木が発する芳香成分フィトンチッドによる森林浴効果など、子どもたちが落ち着いて活動ができます。
B. 充実した設備
保育室全面に、床暖房設備を入れています。
子どもたちは日中裸足で活動をします。足元から暖をとることで保育室全体を快適な温度と湿度に調節し、日中の活動や午睡が気持ちよくできるようにしていきます。
また、施設の複数個所にPanasonicナノイーを設置しており、花粉をはじめとするアレルゲン物質や、カビ・菌やウイルス、空気中のさまざまな汚染物質に効果を発揮します。
C. マグネット
子どもたちの大好きな磁石遊びがゆったりできるよう、壁に大きめのマグネットボードを設置しています。手指を器用に動かす力や集中力を育めるよう、保育士が手作りしたおもちゃやマグネット仕様のおもちゃを用意しています。
D. 調理室
子どもたちが毎日の食事を楽しみにできるよう、調理はすべて自園で行います。ごはんができるまでの調理の音や、美味しそうな匂い、作ってくれている人の温かさを感じられるよう、調理室の中がよく見える大きな窓を設計しています。「おいしそうなにおい!今日のご飯なーに?」と小さい子どもも調理室の中を見ることができたり、大きい子どもは自分たちでごはんの支度ができるよう、低いカウンターも設置しています。自園調理にすることで、子どもたちの遊びや活動内容、その時々の興味に合わせた食事を作ることもできます。「食」の活動を通して食べる楽しさや食材・栄養への興味関心、食べ物を大切にする心を育んでいって欲しいと考えています。
E. 園庭
玄関横には保育室からすぐに出ることができる小さな園庭があります。ここでは水や砂・泥遊びなど、自園の庭だからこそ、思いきりできる遊びを楽しむことができます。また、雨の日や公園に行けない日でも、ちょっと外にでて気分転換をしたり、ねんねやハイハイの子どもたちも気軽に日光浴を楽しむことができます。
プランターでの野菜作りでは「大きくなったかなー?」と野菜の成長を楽しみにしながら水やりをしたり、プランターの下に住むダンゴムシ探しに没頭することも。小さいながらも子どもたちがここで自然に触れ、四季折々の変化を楽しめるように工夫しています。
F. トイレ
明るく清潔感のある雰囲気で、子どもたちの成長に合わせて使い分けていけるように乳児用と幼児用の便器を設置しました。
小さい子でも自らズボンの着脱をしやすいようにベンチを作り、保育士に見守られながら、子どもたちが「自分でやりたい!」と思う気持ちを大切にできるようにしています。また、汗をかく夏場はシャワーができるように、幼児用のシャワーパンを設置しています。